
仙川環/著
小学館文庫 ¥560
農村風景が未だ残る関東のとある市の幼稚園で食中毒事件が起きた。
園児の症状から、おにぎりの杜撰な管理による単純な食中毒だと思われたが、
調べれば調べるほど原因は特定できなかった。
そして分析結果からはカドミウムが検出された・・・・・・。
安易な発表が農家の風評被害に繋がることを怖れた病院、保健所、警察は慎重に捜査を開始する。
毒を盛ったのはいったい誰か?
そもそも毒はどこに潜んでいたのか・・・・・・?
第一回小学館文庫小説大賞を受賞し、大ヒットとなった
『感染』、『転生』に続く医療ミステリー第三弾。
善意が犯罪を加速する新感覚の展開に目が離せない!
上の紹介文で青字の部分・・・
ここにちょっと疑問を覚えましたね
確かに作中には医師も出てきますし
食中毒とみなされていたものが
カドミウム中毒だったというくだりでは
医師による医療行為なども出てきます
医師が事件の解明に一役買うことも確かです
でも、この作品は医療ミステリーではないと思うのです
どちらかと言えば『環境問題』に
重きがおいてあるような気がするのだけど・・・
こんなに面白い一冊を青字のように括る
これは小学館文庫が悪い
なんでも『医療ミステリーすれば売れる!!』ってな
安易な発想がみえみえ・・・
バチスタにあやかろう的な考えのような・・・
もっとストレートに宣伝した方が売れるのに・・・
でも、この作品は仙川環さんの三冊の中では一番面白い
題材も身近でいつ起きてもおかしくない
そんな気持ちになります
ましてやそれに我が子が巻き込まれたり
事件の当事者に知らないうちになっていたら・・・
ジワジワと怖さが滲んできます
仙川環さん、次回作が楽しみです
因みにこの作品の表紙カバーの写真は
福山雅治さんの写真だそうですよ
なんか小学館とコラボしてたんですね
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